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院長BLOG

本物指向(20100907)
 最近、2歳の息子と「○なりのトトロ」「○の上のポニョ」「○ウルの動く城」のビデオをよく見ます。何度も見たがるので、一緒にいるときは私も見るのですが、何度見ても、それなりに見入ってしまいます。私は特別アニメファンでは無いのですが、内容も絵も良く出来ていて、毎回感動してしまう程です。細部にこだわり、考え抜かれ、妥協の無い、奥行きのある、独創的な作品であるからなのでしょう。
大人が○ィズニーランドに何度も行く心理に近いのでしょうね。○ィズニーに行くと入場料、食事、お土産、宿泊など、すべてが非常に高額ですが、他社が真似出来ないほどのサービスが体験できます。○ィズニーランドほど細部にこだわり、よく出来た施設が他に無いからこそ、大人が何度もリピートしてしまうので、○ィズニーランドは企業としても一人勝ちです。
細部にこだわり、考え抜かれた、本物のエンターテイメントだからこそ、大人が魅了される。一度経験しただけでは全てが理解できず、行く度に新しい発見や感動があり、サービスの奥行きが非常に深い。それは、我々が日々お客様に対して提供しているサービスも全く同じであるべきです。施設面では到底敵いませんが、サービス精神は同じレベルで持てるはずです。
○ィズニーランドのサービスを経験されたお客様が当院をご利用いただいた際に、お客様はサービスレベルを比較されます。これは無意識に行われます。その瞬間が、正に我々のサービスマインドが評価される瞬間なのだと思います。
我々は動物病院のスタッフとして、個別の事情に合わせた、型にはまらない、気持ちの見える、誠意を込めた、価値のあるサービスをご提供し、噛めば噛むほど味の出る病院になりたいと思います。
投稿者 厚木ひまわり動物病院 | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
凡事徹底(20100826)
 動物病院のスタッフが動物に対する知識が豊富で、取り扱いに慣れていていることは当たり前です。獣医師が病気を診断するために様々な検査を行い、その結果どのような治療が必要なのかを飼主様に分かりやすく説明することは当たり前です。トリマーが動物が急に動いたり、噛み付いてきたりする事を想定してハサミを持つことは当たり前です。待合室やトイレが常にきれいで快適な場所であることは当たり前です。獣医師が常に勉強を怠らず、どのような症例に対しても対応できるように準備することは当たり前です。スタッフがお薬の調合やお会計に少しのミスもしないことは当たり前です。スタッフがしっかり挨拶し、明るく対応することは当たり前です。ペットホテルでお預かりした子を、来た時と同じまたはそれ以上にきれいな状態でお返しすることは当たり前です。スタッフが過剰に謙ることなく、患者様と対等な関係であり、お互いに敬意と誠意を示すことは当たり前です。
当たり前のことが多すぎて書き切れません。特別な事をやろうとする努力は大切ですが、そればかりを追いかけて、当たり前のことを忘れてしまうようでは本末転倒です。動物病院として飼主様の信頼を得るためには、当たり前の事をきちんと行う事が非常に大切です。当院のスタッフは、凡事を軽視せず、徹底して行う事を肝に銘じます。
投稿者 厚木ひまわり動物病院 | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
動物病院が安い理由、高い理由(20100808)
 動物病院における医療費は、各病院が独自の診療技術に独自の料金を設定しています。同じ治療に見えても、検査方法、治療技術、使用薬剤などが病院によって全く異なり、人間の病院のように平準化されていません。単純に料金を比較するのであれば、ノミ・ダニ駆除薬やフードなど、どこで買っても同じ商品の価格で比較することになりますが、商品の価格設定で動物病院の能力を比較することは難しいでしょう。
料金が安い動物病院は患者さんが多く、いつも混み合っています。長時間待てば診療費が安くなると考えれば、時間をお金で買うようなものです。経営的には薄利多売ですので、毎日たくさんの患者さんが来ないと経営が成り立ちません。スタッフも疲れています。デフレの時代に、「安い」ことに集客効果があることは事実ですので、ひとつの経営スタイルと言えます。
本来は診療技術や付加価値のあるサービス内容が動物病院の競争手段であるべきですが、「低価格」が重要な競争手段となってしまう場合、経営体力が消耗し、診療の質が低下する病院もあるでしょう。
動物病院のスタッフは専門技術を学んだ看護士、トリマー、獣医師で、アルバイトやパートでは務まりませんので人件費比率が高く、更に動物用の検査・診断機器が高額なために設備投資比率も高いため、経費を削ることは、動物病院の本質部分を削ることになります。
一方安くない(高い)病院は、診断機器・治療薬・スタッフ教育・付加価値サービス、設備投資などをしっかりやっている可能性が高いと思います。ちゃんとやるためには、それなりに経費がかかるからです。治療費が高い割に、大した事が無い病院は確かにあると思います。いわゆるボッタクリです。でもこのような病院は1回行けば分かります。
良いものは高い。逆に高いから良いとは限りませんが、安いもので、本当に良いものはあり得ません。
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スタッフの目(20100713)
 動物病院の多くは、夫婦兄弟で獣医師であるとか、妻が動物看護士であるとか、親父も獣医師で、その病院に勤務しているとか、いわゆる家族経営が多いようです。
私の場合は、家族は一切関与していませんので、その分スタッフを多く雇用しないと病院を運営できません。スタッフが多いと監視の目が多く、私の言動一つ一つに対し、説明出来る絶対的な根拠が必要で、「何となく」「テキトー」は許されません。病院のスタッフは大学院や専門学校を卒業している専門職ですので、ごまかしは通用しません。
勤務獣医師に対しては、なぜそのような診断になるのか、なぜその薬を使うのか等、すべて根拠を説明します。勤務医の意見や質問は、自らの診療を見直す良い機会となっています。
トリマーや看護士からは、獣医師以上に飼主様目線で見られますので、より分かりやすい説明が必要になります。診察中は私の一挙手一投足すべてがスタッフに注目・監視されていますので、私は患者さんに語るのと同時に、聞き耳を立てているスタッフにも語りかけるつもりで話しています。他人の目があると、気が引き締まりますし、お手本を示そうという意識も高まります。他人に説明すると、自分の理解も深まります。
詐欺的行為や不正の多くは、社内告発から発覚する事がほとんどですので、常識あるプロのスタッフが複数いれば、他人の厳しい眼で、私の診療や病院の適正な運営を監視してくれていることになります。当院では、誰が聞いても分かりやすく、筋の通った、根拠のある検査や治療を心がけています。
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困難な手術(20100627)
 数年来担当させていただいているフェレットちゃんが体調を崩し、レントゲン、超音波、血液検査などの結果、肝臓癌の疑いが強いことが分かりました。内科的な治療で一時的に体調は回復しましたが、癌の大きさは変わらず、根治並びに確定診断を目的に、開腹手術を行うことになりました。
開腹したところ術前の診断通り、肝臓に5cm大の腫瘍が出来ていました。一目で「これは取れないな・・・」と諦めてしまうほど肝臓に深く入り込んでいて、下手にメスを入れれば大出血を起こす可能性が高いと判断しました。そのままお腹を縫合し、「取り切れない程癌が大きく、手遅れな状態でした」というセリフを用意しましたが、飼主様の、完治を目指した一縷の望みを、私の手術に託してくださった気持ちを思い出し、手術室から飼主様へ電話をかけ、状況を説明しました。
 飼主様はそのまま閉腹する安全策を取らず、あくまでもリスクを承知で私に手術の続行を望まれました。その言葉に私は背中を押していただき、指先や膝が震えるほど困難で、緊張を伴う手術でしたが、勇気と自信を持って癌を切除し、無事手術は成功しました。
 術後の検査で肝細胞癌であることが確定し、今後は局所再発や遠隔転移との戦いが続きますが、順調に回復されています。
以前のコラムにも書きましたが、獣医師のモチベーションは、飼主様のやる気に比例します。あの時の電話で、飼主様が手術の中止を望まれていたら、体調の回復は見られなかったでしょうし、私も困難な手術に立ち向かうことは出来ませんでした。
私に期待をかけていただいている、多くの飼主様に多大なる感謝の念を忘れず、今後も日々精進いたします。
投稿者 厚木ひまわり動物病院 | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)